「N果樹園」さんをパティシエと訪問しました!〜桃農園レポート〜
こんにちは、hannoc・メディア企画担当の北川です。
2023年ももう下半期ですね。
いつもhannocをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。いきなりの厳しい暑さが続いておりますが、熱中症にならないよう水分はたくさんとってくださいね。
hannocのショーケースもすっかり涼しげなラインナップで、夏のフルーツを使ったケーキが続々登場。7月・8月は旬の桃を使ったケーキ2種を並べています。
7月は大阪・岸和田市「N果樹園」さんの桃を使用しております。実が大きく、桃本来の自然な甘みと、みずみずしいジューシーさが特徴です。先日、パティシエたちと「N果樹園」さんを訪問して、桃の生産の様子を見学させていただきました。
国道から少し外れて山に入ると、鳥のさえずりが聴こえる静かな場所に農園が見えてきました。敷地面積は東京ドームの約半分にもなる広さで、ざっと500〜600本の桃の木に、大きくのびのびと育っている桃がたくさん。
「N果樹園」を運営している西野さん。祖父の代から続く桃農園を引き継ぐために脱サラをして、今では日々、桃と向き合い、育てる生活に。桃はとてもデリケートで、雨を含むと糖度が落ちたり、核割れの部分から空気が入ってしまうと中から腐ってしまったり...特に念入りなケアが必要だそう。
毎朝4時に起きて、木の状態を見回って、葉の色を丁寧にチェック。しっかりと桃に栄養がいくように1本の枝に1個の桃になるよう間引きをしたり...桃の木が健康で長生きできる育て方にこだわります。一日中桃のケアに尽くして、作業を終えるのが夜11時になることもあるそうです。
農園の中を一緒に歩き、実際に桃の木に触れて、その健やかなパワーを手で感じることができました。なかには樹齢40年にもなるものもあるそうで、幹が太く、木の枝も空いっぱいに広がっていました。
「農薬を使ったり、カルシウムなどの栄養素を与えれば、糖度を上げることもできる一方、木への負担が大きくなるので、それはしていません。木が健康な状態を保ちながら、桃本来の自然な糖度で、自然の甘さとみずみずしくジューシーなフレッシュ感を楽しめる桃に育てています。」(西野さん)
並行して数多くの品種を栽培しているので、違う色の紙で桃を1つ1つ覆って、識別しています(日焼け防止や、虫除けのため)。西野さんがしきりに「桃、むっちゃ可愛いんすよね。」と何度も言いながら、楽しそうにお話ししている姿が印象的でした。 桃に近づくとふんわり桃の甘い香りが。思わず頬が緩みました。
また、販売方法にも西野さんならではの考えが。
「栽培している『包近(かねちか)のもも』という品種は一定のブランド認知があり、農協に卸せば、売上は安定します。そう分かっているものの、自分が育てた桃を、誰が買ってくれて、どんなふうに販売されているのかを出来るだけ知りたいと思っています。」(西野さん)
美味しい桃を作ればOKということではなく、美味しい桃がどんなふうにエンドユーザーのもとに行き届いているのか。あとは、この桃を加工するのであれば、どんな形になっているのか。それを知ることで、また次にどんな桃を育てていきたいか考えるきっかけになると思っているといいます。
終始、桃のことを楽しそうにお話しされる西野さんをみて、一人黙々と作業をする農家さんのイメージは違うのだと痛感。明るく気さくな西野さんとの時間に、パティシエ(まいまい写真左、たろう写真右)もとても楽しそうでした。
農家という仕事が何をしているのか、もっと知ってもらいたいという思いで、自ら率先してinstagramやyoutubeでも発信をされている西野さん。今回の見学もパティシエの見てみたい!という気持ちに「ぜひ来てください!」と快く応えてくださいました。
約1ヶ月半前。桃を使ったケーキを作ることになり、私たちは桃農家さんを探していました。そんなとき、西野さんのinstagramの発信を拝見して、相談させていただいて。すると岸和田から桃を持って、熱心に説明しに来てくださったことが頭をよぎりました。我が子のように桃と向き合う姿を実際に見て、その想いがどこから湧きあがっていたのか、今回の訪問で分かったような気がして、嬉しくなりました。
西野さんの想いが私たちに届いたように、私たちのケーキをきっかけに、たくさんの人に届いてほしいと思います。
春には桃の花が咲くそうなので、また季節を超えて見に伺いたいです!